RIZE

RIZERIZE
貧困や暴力という現実、怒りや悲しみという感情。抑圧されたものをダンスという表現にぶつけて生きる。
いや表現せずには生きていけない。踊りであれ、音楽であれ「表現」が命につながっているから。
平均的に平和な社会に生きる僕らには極端に映るかもしれないけど、それでもこの映画を観ると、音楽や踊りというものの本質に触れることができる。


ちょうどこの映画を観る前に、超高層のビルの上から街を見下ろしながら、似たようなことをぼんやり考えていた。
猛スピードで走っているはずの車がどうしてここから見るとスローに見えるんだろう。そんな視点で物事を観ていると不思議な気持ちになる。
もし、この建物が崩壊して僕の体が地上に墜落したら、きっと肉体はなくなるけど、魂は残る気がする。それは、いまこうやって唇を動かして言葉を発しなくても、自分の思いを確かめられるから。
肉体に関係なく、思いはつづくんだと。根拠もなく確信した気がした。
でも、ひとつ気がかりなのは、いまこうやって誰かにその思いを伝えることができなくなること。
「表現」が生きている証だとすれば、きっと生きていることを実感するために「表現」しているんだ。
魂の震えを感じる行為が「表現」なんだと。
そんな思いがこの映画を観て符合した気がした。