東京・六本木の国立新美術館、最終日前日。観てきました。
やっぱりすごい。一人の人間の圧倒的な存在感やエネルギーがこれほどまでに感じられる場というだけでも、言葉を絶するすごさがあります。
ピカソが生涯に作った作品数はギネスに掲載されるほど、(1973年に亡くなった時点で、7万点ほどの作品が残されていた)その数といい、晩年まで絶えることなく精力的に創作しつづけていたエネルギーがどこからくるのか、作品を通じて人間としてのピカソ像にますます引き込まれてしまう美術展でした。
「愛に生きる」
たぶんこの言葉が一番形容している気がするのですが、彼の作品に大きく影響を与えている恋人や妻、愛人たち。ピカソを支える女神(解説では彼女らの存在をミューズと表記してました)なのか、それともピカソに翻弄され続けてきたのか、そのあたりもまた、一人一人の女性の描き方や、ピカソの視線の先に思いを重ねてみるのも楽しみ方の一つ。このあたりは音声ガイドがとても役にたちました。
出会いや別れ、そのときの幸福感や絶望感などが作品に反映されているあたり、やはり恋愛と創作のエネルギーは大きく影響しあうのでしょうね。
(この女性遍歴というか、わかりやすい解説を発見。)
元々エネルギッシュな人だったのだと思いますが、その車輪を絶えず回し続ける存在として常にミューズが必要だったのでしょう。破天荒でボヘミアンな生き様は一見、自己中心的ですが、残された作品群を眺めていると、それがただの自己完結では終わらない何かを感じます。
自分の弱さを埋めるために、というよりは、より強くあるために愛に生きたのかな。
ピカソと恋愛をした二人の女性がピカソ没後自殺してしまいますが、没後というのも、それだけそのエネルギーが強かったのかもしれませんね。
それにしても、圧倒される作品群に一日では物足りないほど。明日ももう一度観に行くかも。
「誰でも子供のときは芸術家であるが、問題は大人になっても芸術家でいられるかどうかである」
(wikipediaより)