ご報告
改めてまして。2024年もなんとか生きてこれました。
年末から子供が緊急入院で今年は(も?)病室で年越しです。
(少し検査結果が重篤で年明けからICUにおり予断は許さない状態です。
とはいえ、心配なさらずです。何度も乗り越えてきたので、今回も病院の先生やスタッフの方が、そして本人が踏ん張ってくれるはずです。)
ご報告というか、これにも関連するのですが、現在進めているスタートアップですが、領域は
「AIヘルステック」です。
ご存知の方には今更かもしれませんが、新年を前に決意新たに、書けるうちに書いておこうと思います。
9年前に生まれた子供(先日誕生日を迎えました)が先天性の疾患があって難病認定されるまでは、医療や福祉、病院関係は仕事にしたくない職種筆頭なほど、血を見るのも苦手でした。
自分自身、幸運なことに病院にお世話になることが少なかったのですが、子供が生まれてからというもの、手術や病気のたびに長期病院生活を何度も繰り返し、いまでも平均睡眠時間は5時間ほどで、ケアや子育てに追われる日々です。
多くのプライベートや仕事を諦めざるえなく、自由な時間は多く制限されて、未来の約束も「その時、子供が調子良かったらね」というエクスキューズつき。
それをいうのも面倒になり、子育てにと引っ越してきた奈良の地では、お茶を飲みに行く友人すらもいませんでした。
かといって、色々理由をつけて子供を病院や施設に預けておけばいいとは思えず、変な自己責任や罪悪感で、葛藤もしました。
そんな生活をしていると、自由も制限されるのと同時に、精神的にも、経済的にも、そして肉体的にも、疲労や負担が溜まります。
あぁ、これが「子育て」や、「介護」の苦しさかと。
きっと世の中では、ほとんどが女性であるママや、親の介護なら娘が行っていることなんだろうなと思います。
小児病棟でも、ほとんどお父さんは見かけません。
それくらい、ケアを(なぜか当たり前のように)女性が担ってきたのだと思います。
ここでひとつの想いが巡ります。
介護する側のケアを誰がするのか?
介護する側が助けて欲しいと言える先がなく、言えないのはなぜか?
「虎に翼」ではないですが、特にジェンダーバランスの歪な日本では女性の声は届きにくかったのだと思います。
現実的に、介護する側のメンタルや健康面をサポートする制度や設計はほとんどなく、年越しも病棟の椅子に雑魚寝です。そして3食自腹コンビニ弁当。
これから、医療はどんどん在宅にシフトしていくと思います。
そうすると、なおさらに、そうした実態が見えにくくなるのだと思います。
公助としての自治体や政治は低成長を理由に社会保障費は削減していくのが目に見えてます。
かといって、医療を地域にという共助も、現実的には存在しません。今後、医療福祉系人材の不足も切実です。
結局本人や家族という自助に寄っているのが実態です。
こうした状況を変えていくために、立ち上げているのが、本スタートアップです。
この数年、多くの方と出会い、志や思いを共有させていただき、仲間も探し続けきました。
奈良では、自分の素性を話すこともせず、ただ病院に送り迎えするだけのパパでしたので、人知れず家で子供のためのバイタルセンサーを粛々と作り続けているに過ぎなかったのすが、子供の主治医でもある病院の理事長や病院の方々との応援や出会いで転機が生まれました。
病院の非常勤として、医療系の学会に論文送って開発したバイタルセンサーを発表してみたり、企業や研究機関の方とお話しを伺ったりしてきたのですが、実際にヘルステック領域に関心のあるエンジニアの方にはあまり出会えず。
そんなことを4−5年続けてきたのですが、この一年でやっと期が熟しはじめて、第一弾目の勝負をかけてみようと思うに至りました。
この機運を感じたのは、よき仲間と昨今の生成AIとの出会いが大きいです。
資金も人材も乏しいスタートアップですが、AIはさまざまな前提を覆して、そうした条件の悪い門外漢のチャレンジを後押ししてくれる心強い存在となってくれています。
技術や前提とした知識、経験がなくても、AIをうまくアシスタントにつけることで、それをカバーし、それぞれの強い思いを武器にサポートしてくれます。
インターネットが登場した時に、インターネットはそれまで組織や集団、豊富な資金がなければできない。と思い込んでいた前提を壊し、個人の力をエンパワーする武器となることを教えてくれました。
実際に多くの人が、分散協調して、インターネットを使って自立していく姿を見てきました。
そしてその、個人のエンパワーメントをより加速させ始めたのが、昨今の生成AIだと思います。
思いがあり学ぶ気があれば、誰にでもチャンスがある。
そんな機運です。
介護やケアによって、いまの自分のような、境遇を増やしたくない。
人は必ず老いるし、不自由になるもの。
でも、それを恐れず、孤立させず、偏見や分断のない社会づくりのために、テクノロジーを活用した、未来のケアについて、エンジニアリングしていきたいと思います。
2025年。多くの人の意見をお伺いしながら、事業を高めていきたいと思います。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。